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そういえば、ほんの数ヶ月前に、絵画の盗作騒ぎがありましたね。
あの後、いったいどうなったんでしょう? 昨日、日本橋で見てきたもう一つの展示は、三井記念美術館の『美術の中の写(うつし)』でした。 オリジナルとそれを「写し」たものを並べて展示するという画期的な展示。 茶道具、能面、絵画、工芸品、書など、幅広いジャンルにわたって「写し」を展示しています。 「写し」というと、なんだかちょっとオリジナルよりも劣るというイメージがあります。 ニセモノと紙一重というか。 でも、今回の展示は、その「写し」を 「師や先人の優れた技や精神を学ぶ機会であるとともに、新たな創造の糧となるものでした。そして、それを積み重ねることで、技術や美意識が守り伝えられてきた」(三井記念美術館HPより) と捉えています。 展示品の多くを占めていたのが、京焼の永楽保全のつくった「写し」の数々。 保全さん、そりゃもうたくさんの「写し」をつくっているようです。 そんな中、保全さんのオリジナル作品が展示されていました。 「色絵蓬莱注連縄文茶碗」(19世紀・江戸時代) なぜこれが?と思ったら、 永楽家代々の後継者は、襲名するにあたって、この茶碗をそっくり写して「確かな技術を継承しました」と証明するのだとか。 永楽さんちの「写し」の継承、なんだか妙に感心してしまいました。 この他、「舞台道具は、オリジナルと同じでなければならない」という前提で写された能面。 それとは考え方を異にして、創意を加えて写した能面もあり、 「優れた技術でつくられたものは、どちらもスゴイ!」としか言いようがありません。 また、安藤緑山の精巧な貝や菜果の象牙細工など、 「これは「写し」ではなくオリジナルじゃないか!!」 と心の中で叫んだり。 (左写真の柿は象牙でできてます) 展示の目玉、円山応挙の国宝「雪松図屏風」と国井応陽の「雪松図屏風」の比較展示も圧巻でした。 私は真似が得意ではありません。 ピンクレディの振り付けも、ついに覚えることはありませんでした。 陶芸でも、誰かの作品とそっくり同じものをつくるのはイヤです。 それならオリジナルを入手した方がいい。 もちろん、高いところを目指して模写をするのは有りだと思います。 でもそうでないのなら、私はこれからも模写はしないでしょう。 ああ、そんな信念も、豆皿100枚の図案の前に脆くも崩れ去っていきそうな予感が… ま、インスパイアされてのことだし、オリジナルへのリスペクトさえ忘れなければ真似もいいかな? ・・・なんてね(^-^; <美術の中の写 -技とかたちの継承> 会期 : 〜2006年9月3日(日) 月曜休館 場所 : 三井記念美術館 時間 : 10:30〜17:00 入館は閉館の30分前まで
by ukky_tg
| 2006-08-19 17:56
| 作品展・お店・他
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